なかなか上達しない自分は乗馬に向いていないんじゃないか?
どうしたら上達できるのか知りたい方。
乗馬を始めて最初の頃って楽しいですよね。
でも初心者を脱出して初級者になってくるといろいろと悩みが出てくると思います。
「いつも同じことを注意される」
「自分でも意識しているのにどうしても出来ない。」
「どうして出来ないのか分からない」
「インストラクター達はいとも簡単にやっているのにどうして?」
「自分は乗馬に向いていないんじゃないか?」
と思ったことはありませんか?
私はいつも思っていました。
でも、今はその時感じていた「何故」は全てクリアになり。
日々、進歩を感じられるレッスンをしています。
この記事では、そのポイントを解説していきます。
乗馬がなかなか上達しないと悩んだら【試して欲しい6つの事】
①闇雲に乗るのをやめる
②正しい知識をもつ
③分析する
④意識を変える
⑤たくさんアウトプットをする
⑥セミナーやビジターでレッスンを受けてみる
順に解説します。
闇雲に乗るのをやめる
闇雲に鞍数を重ねても上達はしません。
クラブに入会してすぐの頃は最初は「とにかく慣れなければ」と闇雲にレッスンに通う日々でした。
私もクラブに入会して1年程経った頃に、インストラクターに注意されても思うように出来ない自分に悶々とするようになっていました。
「どうして出来ないんだろう?」
「乗れる人たちは何の苦もなくできていることなのに。」
とネットで調べたり、本を買って読んだりと。。。
まるで出口の見えないトンネルを彷徨っているような感じでした。
でも、原因と解決策がわからないままに闇雲にレッスンを受けても上達するわけがありません。
子供の場合はある程度、見た動きをそのままコピーすることができるので、難しい理論など解らなくても繰り返し練習することで乗れるようになります。
でも大人になってから乗馬を始めた場合は、何も考えずに繰り返し練習するだけでは上達が難しいのです。
なぜなら、馬上での動きの80~90%は反射で起こる動きだからです。
どんなに自分で意識しても直すことはできないのです。
直すには正しい知識を持って、正しい順序で練習していくことが重要です。
正しい知識を持つ
ほとんどの乗馬クラブではレッスンは騎乗レッスンしかしないと思います。
でも「乗馬=馬術」という以上はきちんとした理論があります。
つまり「学ぶ」事が必要なのです。
そのため、まずは正しい知識を得ることが必要です。
そのためにお勧めの本をご紹介します。
人馬の基礎訓練
こちらはドイツの馬術教本ですが、乗馬の基礎が体系的に書かれたテキストです。
初級者から上級者まで正しい乗り方が詳細に書かれています。
ネットや本屋さんでは買えないのでFAXで申し込む必要があります。
画像出典:全国乗馬倶楽部振興協会
リアルライディング
こちらは、「もしあなたが馬だったら○○ですか?」とか「良い指導者のチェックリスト」などとても参考になる面白い内容です。
今でも悩んだり行き詰まった時には読み返す本です。
センタードライディング1,2
こちらは
センタード・ライディング /アニマル・メディア社/サリー・スウィフト
センタ-ド・ライディング 2 /アニマル・メディア社/サリ-・スウィフト
分析する
自分の現状を知ることは大切です。
私も初めて自分の騎乗姿をビデオで見た時はすごく嫌でした。
イメージと全然違っていたからです。
でもそれも初めだけで、段々と慣れて冷静に自分の騎乗をチェック
出来るようになっていました。
自分がどんな時に馬がどういう動きや反応をしたかなども確認できます。
ビデオで撮る
鏡がある馬場でも常に鏡をみながら騎乗することはできません。
一番効果的なのがビデオで撮影することです。
でも多くの人が誰かにビデオで撮ってもらうことは難しいと思います。
かと言って三脚に固定してしまうと普通の家庭用ビデオカメラでは広い馬場を全て撮影することはできません。
私がいつも使っているのはGoProです。
170度の広角で取れるため、馬場の角に巻きつけられる三脚をつかえば簡単に設置できます。
広角で撮れる反面、遠いとかなり小さくなりますが、特に問題ないです。
ビデオを撮る目的は、自分の姿勢などのチェックと言う意味もありますが、
自分がどんな感覚の時にインストラクターに何を言われたかと言うのを思い出すことです。
最初は安いGoProもどきを使っていましたが、本体が防水でないため、雨の日にケースを使うと音声を撮ることができなくなってしまうため、買い替えました。
先生の声もしっかり入るし、何より画質が全然違いました。
4Kで取ればある程度拡大して姿勢チェックもできます。
GOPRO GoProHERO8 Black CHDHX-801-FW
もう1台のお勧めは、SOLOSHOT3です。
これはGPSで自動追尾してくれるビデオカメラです。
2年前に購入して今も現役で使っています。
自動でタグを追いかけて中央に収まるように取ってくれます。
遠くも65倍の光学ズームができるのでGOPROよりは鮮明な映像を撮ることができます。
難点は、準備に時間がかかるということです。
GPSでターゲットを追いかけるため、位置情報の取得に少し時間がかかります。
上手く行けば5分ほどで設定できますが、衛星の位置や天候に影響されるのかたまに設定に失敗してやり直したりする必要があります。
このカメラを使うには時間に余裕があるときしか使えません。
また、衛星の影になる建物の近くやターゲットが近すぎる(3m以内)だと追尾ができないため、置き場所選びに苦労しました。
自動追尾機能は優れていて、駈歩や暴走された時もちゃんとついてきてくれます。
ICレコーダーで録音
クラブによってはビデオでの撮影が難しい場合もあるかもしれません。
そんなときにはICレコーダーで音声だけでも取ってみることをお勧めします。
自分がレッスン中にどんな事を注意されたのか後から振り返ることができるだけでも効果があります。
私はこちらのICレコーダーを使っています。
記録をつける
ノートに記録してその日のレッスンの内容を総括することはとても重要なことです。
何に取り組んで、どんな感覚が得られたのか、結果どうなったのか。
何が出来なかったか、どうすれば出来るようになるか。
また、乗った馬の反応など。
私は体験乗馬からずっとmixiで全てのレッスン記録をつけていました。
今はコチラに移動して公開中です。
ご興味のある方はどうぞ
意識をかえること
正しい知識を知り、自分の騎乗を見て分析すれば、抱えている問題・課題が明らかになると思います。
1レッスンごとに課題を決め、そこに意識を集中してレッスンを受けるようにします。
初級者のうちは課題が多すぎて、1度に全てはできません。
蹄跡行進→馬をきちんと真っ直ぐに!
隅角通過→馬をちゃんと隅角に沿った姿勢に!
輪乗り→きれいな輪乗り、狙ったラインを通す!
などなど、私は今も課題が山積みです。^^;
こればっかりは、1つの事を何も考えずにオートマチックにできるようになるまで、反復練習するしかありません。
レッスン1鞍たりとも無駄にしない。
馬の1歩たりとも無駄にしない。
という意識で練習しています。
先生に
「皆さんの意識を変えることができれば、僕の仕事は8割は終わっている」
と言われたことがあります。
質の高いレッスンを1回受け、振り返って分析し、反省点を次のレッスンで重点的に練習することが大切です。
たくさんアウトプットをする
子供の頃から乗馬を始めたり、若くして乗馬学校で学んでインストラクターになった人が、大人のライダーを教えるはとても難しいことだと思います。
なぜなら彼らは、どうして私達が自分の言ってる通りにできないのか?
その理由を知らないのです。
馬に乗っている時の感覚というのはその人の体や動き方の特徴によって人それぞれです。インストラクターには自分がどんな時にどんな感覚があるかということをなるべく伝えることが重要です。
疑問があったり、わからないことがあったらどんどん質問してみることをお勧めします。
このようなことはグループレッスンでは難しいので、できれば個人レッスンを定期的に受けましょう。
セミナーやビジターレッスンを受けてみる
乗馬は感覚による部分が大きいスポーツです。
また、馬という不安定要素が加わって、さらに難しさが増しています。
感覚というのは人それぞれで感じ方違うので、自分の感覚を理解してもらえたり、自分がイメージしやすい言葉で伝えてくれる指導者を見つけることは重要なことです。
ライダーのレベルに適したレッスンをしてくれる指導者を見極めましょう。
「初級者」に「完成形」の姿勢をいきなり求められても出来るわけがありません。
馬上の動きはほとんどが反射で起きていることなので、問題の根本的な原因がどこにあるかを見極められる指導者でないと、「できないことをひたすら注意される」「どうしたら出来るのか教えてくれない。」となってしまいます。
センタードライディングなどは色々なクラブでビジターでレッスンを受けることができますし、講習会なども定期的に行っています。
泊まり込みで2~3日の集中合宿を行ってるクラブもあります。
どんなライダーも上達するための努力が必要
乗馬には人それぞれ色々な楽しみ方があると思います。
・週末馬と触れ合って楽しく乗れればいい
・外乗で気分良く走れたらいい。
どんな楽しみ方をするにも、馬にとって楽に乗ることは大切です。
馬は乗り物ではなく生きた動物なのですから。
馬に乗る人はみな、どんな状態でも動いてくれる健気な馬たちに甘えることなく、上達する努力をすべきだと私は思います。
この記事が上達が感じられずに悩んでいる方の一助になれば幸いです。
何も考えずに鞍数を重ねても上達はできません。
正しい知識をもって現状の自分を分析しましょう。
インストラクターには自分の感覚を多くの言葉で伝えましょう。
時にはセミナーやビジターレッスンに行って自分に合った指導者をさがしてみましょう。
馬たちに甘えず、ちゃんと乗れるようになる努力をしましょう。