2020年8月14日にEpic Games社の人気ゲーム『フォートナイト』が「App Store」と「Google Play」から削除されました。
このニュースを受けて、フォートナイトのモバイル勢には衝撃が走りました。
Android版の場合は、Google Play以外からもダウンロードやインストールは
可能ですので、Google Playからのアップデートができなくなる以外は、
引き続き遊ぶことができます。
深刻なのはiPhoneやiPadでプレイしていたユーザーです。
課金アイテムもあるというのに、このまま遊べなくなるとしたら
酷い話ですね。
削除の理由は「利用ガイドライン違反」だそうですが、30%手数料の高さに不満があったとはいえ、ユーザーとしては本当に迷惑な話です。
そこで、Epic Games社とアップルが和解して、App Storeに復活出来る可能性があるのか調べてみました。
フォートナイトがApp Storeに復活する可能性は?
復活できる可能性はかなり高いと思います。
アップルはアプリをストアから削除したとはいえ、
「アプリの復帰に向けて協議は続ける」とコメントしています。
なぜなら、この状況は両社にとって「どちらも得をしない」状況だからです。
フォートナイトは総プレイヤーは全世界3億5000万人という巨大なタイトルです。
(2020年5月時点)
現在までに、同ゲームのインストール数は1億3320万件、App Storeだけで全世界で12億ドルの売上を上げています。
アップルとしてもこのようなビッグタイトルが無くなるということは、デメリットしかありません。
twitterでも機種変の時にAndroidに乗り換えるなんて、声もチラホラ。
フォートナイトの件とか梨マーク告訴の件だったり……iPhoneちょっとガチで見損なったわ……。
今からスマホ乗り換えに行くしその時はAndroidの11Pro買うわ……。
今までありがとうな、iPhone。— おしゃべりになられるぴーまん (@stu1614) August 14, 2020
また、Epic Games社も批判動画で「アップルのデバイスには10億台分の見込み顧客がいる。」と言っています。
Epic GamesはApp Storeの独占に異議を唱えました。報復として、Appleは10億のデバイスでFortniteをブロックしています。https://t.co/VwLAHlzLap へアクセスし、2020年を「1984」にしないための闘いに参加してください。 pic.twitter.com/LSKyXiXQVA
— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020
今回の騒動は、「アップルを話し合いのテーブルに引っ張り出す」為の強硬手段
なのかもしれませんね。
Epic Games社とアップルの和解ポイントは?
そもそも、この問題のきっかけとなったのが、フォートナイトが
「アプリ内にAppStore以外からの課金の仕組みを実装した」
ことです。
これが、規約にある「アプリ内からの購入で、AppStore以外からの課金の仕組みを回避ことを許諾しない」という項目に違反するということです。
「アプリ内課金」ルールには回避策がある
この「アプリ内課金」のルールには、回避する方法があります。
すでに対策をしてアプリ内課金の手数料を回避しているサービスもあります。
Amazonの「Kindle」や「ネットフリックス」、音楽配信サービスの「Spotify」などはアプリ内課金の回避としてウェブブラウザー経由でのコンテンツの購入という方法を取っています。
「アプリ」→「ブラウザーが起動」→「ブラウザー内で決済」→「アプリに戻る」
という流れになります。
一度、アプリから離れる必要があるため、使い勝手はその分落ちますが、
私もKindleを使っていますが、あまり気にならない程度とも思えます。
なぜフォートナイトはアプリ内課金回避をしなかったのか?
じゃあ、フォートナイトもブラウザ経由で決済にすればよかったのでは?
と思うかもしれませんが、ゲームのようなアプリには「Kindle」や「ネットフリックス」が取ったようなアプリ内課金回避の方法は許されていないのです。
そもそも「アプリの中で直に他の決済手段を使う」ことは、どのコンテンツでも許されてはません。
アップルを交渉のテーブルに着かせるための手段
Epic Games社は、App Storeから削除されることを見据えて、批判動画を
出したり、訴訟を起こしたりしています。
なので、今回の規約違反の実装はあくまでアップルと交渉するための
手段であると考えられます。
同様に手数料30%の高さに不満を持っている会社の後押しなども
期待しつつ交渉を有利に進めたいと考えているのでは無いでしょうか?
和解の落とし所は?
両社にとっては、この状況はどちらにも損失しかありませんので、
長期の裁判を争うことより、和解する可能性が高いと思います。
とはいえ、アップルが全体の手数料を引き下げることは考えにくいです。
大幅な売上減少になりますからね。
落とし所としては、「Kindel」や「ネットフリックス」などが使っている
「ブラウザ経由の課金方法をゲームでも出来るようにする」
という所ではないかと、思われます。
SpotifyもEpic Games社を支持
SpotifyはテックニュースサイトRecodeのピーター・カフカ氏を通じて、以下のような声明を出しているそうです。
我々はEpic Gamesがアップルと対決する姿勢を示したこと、アップルが独占的地位を乱用していることにさらなる光を当てたことに拍手を送ります。アップルの不公正な行為は、あまりにも長い間、競合他社に不利益を与え、消費者を搾取してきました。消費者とアプリ開発者の大小を問わず、これ以上の大問題はなく、iOSプラットフォームの競争的かつ公正な運営を実現することは、広範囲におよぶ意義を持つ緊急の課題です。
Spotify, which has had a long-running battle with Apple and filed an antitrust complaint of its own, weighs in on Epic v Apple. Spoiler: Spotify supports Epic. pic.twitter.com/FPNLmRNYBx
— Peter Kafka (@pkafka) August 13, 2020
まとめ
今回の騒動で不自由を強いられたのは、Epic Games社でもアップルでもなく
iPhoneで「フォートナイト」を遊んでいたユーザーですよね?
さっさと和解して、元通り遊べるようにして欲しいものです。
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