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スマートウォッチ(Fitbit)で新型コロナを発症前に検知可能!Apple WatchやGarminでもわかる?

スマートウォッチ(活動量計)メーカーであるFitbitがウェアラブルデバイスを活用した、新型コロナウイルスの早期発見に関するレポートを発表したというニュース記事が掲載されました。

70%の特異性で発症する1日前に、COVID-19症例のほぼ50%を検出できる。」
という内容です。

記事には詳しい内容については書かれていなかったので、

  • どんな仕組みで新型コロナ感染症を早期発見するのか?
  • AppleWatchやガーミン(garmin)など他のスマートウォッチでも可能なのか?

について調べてみました。

どんな仕組みで発症前に検知するのか?

スマートウォッチ(Fitbit, AppleWatch, Garminなど)をお使いの方はご存知かとおもいますが、スマートウォッチには体温を測定する機能は付いていません。

一部の中国製のスマートウォッチにはついてるものもありますが、精度は良くないようです。

スマートウォッチの体温測定の精度についての記事はこちらを参照してください。

体の状態で測定できるものは、心拍数のみです。
FitbitのFAQによると心拍数から呼吸数を割り出すことができるようなので、呼吸数と心拍数ということになります。

Q:Fitbit は呼吸をどのように記録しますか?
A:静かに座っている間に、Fitbit デバイスは心拍変動(HRV)と呼ばれる心拍数の心拍間隔の変化を測定します。息を吸うと心拍数は増加し、息を吐くと心拍数は減少します。デバイスはこの心拍数の変化を利用して、ガイド付き呼吸セッションでのカスタマイズされた呼吸パターンを推奨します。

(出典)Fitbit

 

ではどうやって、新型コロナの発症前の変化を見つけるのでしょうか?

体が休んでいる夜の間の、「呼吸数」、「安静時心拍数」、「心拍数変動性(HRV)」を使って検知する仕組みのようです。

発症している人はこれらの数値が

心拍数:上昇↑
安静時心拍数:上昇↑
心拍数変動性(HRV):低下↓

となります。
そして、この変化は発症するほぼ1週間前に現れるそうです。
Fitbitのデータによるとこちらのグラフのような変化が見られます。

(出典)fitbitの新型コロナ発症者のデータ

 

fitbitが発表している英文のデータについて詳しくはこちら
https://blog.fitbit.com/early-findings-covid-19-study/

AppleWatchやGarminの他社のスマートウォッチでも検知可能?

fitbitの新型コロナの検知の仕組みを見てもわかるように、他社製のスマートウォッチあっても「心拍数」「呼吸数」「心拍数変動性」が測定出来るものであれば、検知ができると考えられます。

Apple watchやGarminのスマートウォッチでもfitbitと同様に、
「心拍数」「呼吸数」が測定する機能がついています。

もう一つの要素である「心拍数変動性」というのは心拍数の変動を表すものなので、「心拍数」が測定できれば算出できるものです。

この研究がさらに進めば、fitbitアプリに新型コロナ感染の可能性を知らせる機能が追加されて、有用性が認められれば他社製品にも広がるのではないかと思われます。

まとめ

今回、fitbitが発表した、「新型コロナの感染を発症1日前に検知できる」というのがどういった仕組みで検知するのか?

また、他のスマートウォッチでも可能なのかを調べてみたところ、

  • 「心拍数」、「呼吸数」、「心拍数変動性」をの変動データから検知
  • 「心拍数」、「呼吸数」が測れるスマートウォッチであれば同様に検知可能

という結論でした。

ただ、現段階では
「70%の特異性で発症する1日前に、COVID-19症例のほぼ50%を検出できる。」
とあります。
これを高いとみるか低いとみるかは意見が分かれるところではあります。

私はかつて臨床検査薬メーカーに勤めていたことがあるので知っていることですが、感染症において一つの検査のみで確定診断ができる方法は、この世に存在しません。

「感染すれば 100%陽性、感染していなければ 100%陰性」という検査は、今のところ残念ながら存在しません」
(引用)日本臨床検査医学会

だから、病院に行くと様々な検査をするのです。

もし、スマートウォッチに「新型コロナ感染検知」機能がついたとしても、1つの指標にすぎません。
自分の過去の行動履歴や体調なども総合的に判断する必要があるでしょう。

新型コロナウイルスの収束がまだまだ見えない中、感染拡大防止の手段としてスマートウォッチの機能で、自分が感染している可能性があるかどうかを判断できるのであれば、是非活用したいところです。